子どもたちが”ぴたっ”とおとなしくなった~
幼児~小学校5年生までの子どもたち8人が元気よく走り回ってる。 座敷にテーブルを配置して立食ビュッフェ形式で、大人30人と子供たちがお宿で夕食会。 子どもたちはひとしきりご飯を食べ終わったら、身体がむずむずしてきて部屋の隅っこで遊び始め、だんだんその動きが大きくなってきていました。
(そうだよねぇ。食べ終わったら飽きちゃうよねぇ~)と思いつつも、(あ、このまま収まらなかったらどうしよう・・)と私の頭をよぎった。
これからとても大事な時間が始まる。
そう。我々は福島の浜通りのお宿で東日本大震災からこれまでの取り組み等を学ぶツアーに参加をしていて、これから現地の方のお話を伺うことになっている。
わたしは、ちょっとそわそわしながら、マイクを握り口を開いた。
「ただいまから、”これまで”そして”これから”の取り組みや思いをうかがいたいと思います。」
そしてこう続けた・・・
「子どもたち、いまからとっても大切なお話しを聞くので、みんな畳に座って前を見てくれる?」
すると、その言葉を聞いた子どもたちは、みんな畳に座り前を見る。(え、あれだけ騒いでいたのに・・・)
動画、複数の方のお話し・・・合計50分はあっただろう。子どもたちは真剣に話しを聞いている。
2-3歳の小さな子どももだ。通常ならこれだけの時間をじっとしているのは簡単ではないだろう。
子どもたちは、今日このツアーが何のためのものなのか、この時間がどれだけ大切なものなのかを、十分理解し、自分で自分の行動を決めて、大人の話しに耳を傾けていたのだ。
お話しが終了し、感想を述べた大人の1人が「お話しは本当に素晴らしかった。そして最後に・・子どもたちにありがとうと言いたい。この時間のためにじっと座ってお話しを聞けたことは本当にすごいことだ!」と。
その言葉に、子どもたちはちょっと嬉しそうに誇らしげな顔をしたように私には見えた。 そして私はホッと胸をなでおろした。子どもたちに「子どもたち!座って、おとなしくして!」なんて言い方をしなくてよかった・・・と。
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